【実体験】胸腔鏡下交感神経遮断術の効果と代償性発汗について手汗に悩んでいる方に読んでほしい
こんにちは。あおいです^^
この記事にたどり着いた方は、手汗に悩み、治療方法を探している方ではないでしょうか?
私は長い間手汗に悩み、様々な治療を経て、2019年4月に胸腔鏡下交感神経遮断術を受けました。
今回は胸腔鏡下交感神経遮断術の効果や代償性発汗について、エピソードを交えつつ話していこうと思います。
※あくまで私の効果と代償性発汗についてです。個人差があるので、データの1つとして読んでいただければ幸いです。
手掌多汗症とは?
手掌多汗症とは、文字通り多量の手汗が出る症状です。
手汗はストレスを感じたり、緊張や恐怖、不安などで出やすくなりますが、手掌多汗症は普段から手に汗をかいてしまいます。
私のように重症の場合は、私生活に支障をきたすこともあります。
胸腔鏡下交感神経遮断術とは?
胸腔鏡下交感神経遮断術とは、現在の手掌多汗症の治療の中で最も効果的と言われている手術です。
脇の下あたりを数ミリ切り、汗の交感神経を切断することで、手に流れる汗を止めます。
一度切断した交感神経は元の状態には戻りません。副作用の代償性発汗もありますので、注意が必要です。
胸腔鏡下交感神経遮断術の手術の流れや費用などはこちらの記事に記載しておりますので、興味のある方はご確認ください。
効果は?
一般的にほとんどの人の手汗が止まります。
そして、40%の人が脇汗も減り、10%の人が足の裏の汗も止まります。
日常において
いつも滴っていた汗がピタッと止まり、手が本当にサラサラになりました。
紙にペンで文字を書くときに、紙が濡れてにじんでしまったり、破けてしまったりと、普通の人には理解できないであろうことが頻繁に起こっていましたが、手術後はなくなりました。
ストレスを感じたり、緊張したりといった、一般の人でも手汗をかいてしまうような状況になっても、私の手からは一滴たりとも出てきません。
もちろん手を繋いだり、握手をしても、何の問題もありません。
真夏の結婚式では?
私は手術後すぐにグアムで結婚式をしました。
このために手術に踏み切ったと言っても過言ではないくらい私の人生の中で最大級のイベントでした。
グアムは常夏で、日差しも強く、日本の夏と同じくらい暑いです。
結婚式は、手を繋いだり、花束や指輪、食事など、何かを持ったり、触ったりという、手掌多汗症の私からすると、心配になるプログラムが盛りだくさんです。
『どうしよう』と思っていたのですが、私の心配をよそに、手は終始サラサラで、何の問題もなく結婚式を終えられました。
その後、グアムの街を歩いたり、マリンスポーツをしたりしましたが、手がサラサラなので、手に砂がつくこともなければ、何かが気になることもありませんでした。
高熱を出した時は?
私は2019年の冬に珍しく体調を壊してしまいました。
38度を超える熱で体は熱いのに、寒く感じるほど重症でした。(まあ薬を飲んで寝たら治りました(笑))
いつもは手汗が気持ち悪くて、体調が悪くても、枕元にタオルを置いておき、何度も手を拭いてしまいます。
しかし手術後のこの日は、身体が熱を持ち、汗をかいても、手だけには汗をかかず、気持ち悪いほどサラサラでした。
手術後、本当に手汗が止まったことを実感し、驚いたことを覚えています。
代償性発汗とは?
胸腔鏡下交感神経遮断術はいいことばかりではありません。
手術後は副作用である代償性発汗が現れます。
代償性発汗とは、手汗を止める代わりに、他の部分の汗の量が増加することです。
厄介なことに、手汗と同じ量が別の場所に動くわけではなく、手汗に比べて多量の汗が出るようになる場合もあります。主に背中、胸、お腹、太ももの裏などの汗が増加する人が多いそうです。
手術を受けて、手汗が止まったとしても、数%の人が手術を後悔します。手汗の苦労以上に、代償性発汗が辛いと感じてしまうようです。
交感神経を切断してしまうと元に戻すことはできません。よく考えて手術を受けるが決めてください。
代償性発汗の移動先
私は元から汗っかきで、全体的に汗が多いので、代償性発汗がどこに動いたかはわかりません。
担当医の先生から、グレーの服を着れなくなったり、ブラウスがぐっしょり濡れてしまったりする人もいると説明を受けましたが、私は元から脇汗を気にしてグレーの服を着たことがないし、ブラウスを着たくなくて、私服の高校に進学するなど、今更何も怖くないという状態でした。
脇汗と足の裏の汗もついでに止まる人がいると聞いていましたが、残念ながら特に変わりませんでした。
手汗は完全に止まりましたが、背中や太ももの裏、脇、足の裏はやっぱり汗っかきのままです。
しかし、不思議なもので、手汗以外の汗は笑い飛ばせるんですね。背中の服の色が変わるくらい汗をかいても、『私汗っかきで、めっちゃ嫌やわ~(笑)』という風に言えば、まわりも『今日暑いよな。わかる。』みたいに理解を示してくれます。
それくらいできる覚悟がないと、手術はおすすめしません。
医療は進歩している
私があらゆる皮膚科に通い、ネットで調べ、行動した結果、今、手汗をリスクなく、保険適用で受けられる治療の研究が進んでいるそうです。
『それ、いつの話?』と思ってしまったため、私は胸腔鏡下交感神経遮断術を受けてしまったわけですが、、、( ̄▽ ̄;)
もし今、胸腔鏡下交感神経遮断術を受けられない年齢の方や、未成年で親の許可がとれない方、手術はちょっと、、、と思っている方も、いずれもっと安全な治療がでるそうなので、皆さんは私より安全な治療が受けられるかもしれません。
手術をせずに暮らしていくという選択
手汗の症状がある人は私が思っているよりも、たくさんいる気がします。
手掌多汗症の方は、(私を含めて)手汗をコンプレックスと思っている方が多く、まわりに相談できないので、ひっそりと身を隠しているように思います。
しかし実際には、私が胸腔鏡下交感神経遮断術の手術を受けた日、同じ病院で5人の人が同じ手術を受けました。
今まで他人と握手をする際は、自分のことでいっぱいいっぱいでしたが、手術後は他の人も手汗をかくことがわかりました。
また、私は海外に行くのが好きでよく行きますが、海外の方は手汗をあまり気にしていないように思いました。
数年前、握手を求められて、私が申し訳なさそうに手を差し出すと、笑顔で握りしめてくれました。『何を気にしているの?』と聞かれたので、『手汗が、、、』と答えると、『握手したくないのかと思った!よかった!』と言われました。
海外の人は私の手汗はどうでもよく、握手を拒まれる方がかなしいようです。
なので、もし外国人に握手を求められたら、思いっきり握って良いと思います。
この日、一生海外で暮らしていくのもありやなと思いました。(結局色々あって日本で暮らしていますが、海外旅行はよく行っています。)
最後に
胸腔鏡下交感神経遮断術には代償性発汗が付き物です。
代償性発汗があっても手術に満足している人もいれば、手汗が止まっても代償性発汗に悩み、手術を後悔している人もいます。
手術前には、手術後にどうなっているかはわからないので、どのような結果になっても受け入れられる方のみ手術を受けてください。
また、手術を受けないことが望ましいので、ありのままの自分でも快適に過ごせる環境を探してみるのもいいと思います。
私だったら常夏の国で生きていく選択をすると思います。(本気です。)
手汗に対する偏見がなくなりますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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