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流星群を撮ろう!(撮影編)

2024-10-03

これまでに何度か流星群の撮影に行ったため、撮影のコツをつかんできました。長秒露光が前提となるため、カメラを通すことで肉眼では見えない世界を見られるようになります。
星景写真は撮影した時点でかなり美しく写りますが、レタッチでさらに化けます。撮影編とレタッチ編に分けて執筆しますので、レタッチ編にのみ興味がある方は下の記事からご確認ください。

Sony α9 + SAMYANG AF14mm F2.8 FE
ISO-12800 F/2.8 6.0sec. 14mm
兵庫県 砥峰高原にて撮影

流星群を撮るチャンス

流れ星は見られたらラッキーというイメージがある方も多いと思いますが、狙って観察することができます。
🌠しぶんぎ座流星群(1月初旬)
🌠ペルセウス座流星群(8月中旬)
🌠ふたご座流星群(12月中旬)
これらは三大流星群と呼ばれ、ピークの時間帯には1分に1つのペースで見られることもあります。なお、三大流星群の中でもふたご座流星群が最も大きなもので、同じ条件であれば最もたくさんの流星群を見ることができます。狙い目!
これら流星群は上述の大まかな時期は決まっていますが、ピークは毎年若干異なりますので見に行く前に確認しましょう。夏休み、冬休み付近に集中しているので、自由研究にぴったり!

機材

📸カメラ本体
スマホでも星景写真を撮れる時代ですので、どんなカメラでもしっかり設定すれば大丈夫でしょう。ただ、センサーサイズが大きく(フルサイズ以上が望ましい)高感度耐性の高いカメラに越したことはありません。インターバル撮影機能があるとリモートコマンダーが必要ないので便利です。

🔭レンズ
望遠レンズは不向きですが、広角~標準はお好みでよいと思います。流星群の撮影において、焦点距離による特徴は以下の通りとなります。
広角:たくさんの流星が写る。流星の軌跡は短くなる。
標準:広角に比べて写る流星の数は減るものの、流星の軌跡は少し長くなる。
望遠:レンズを向けたピンポイントに星が流れないと写らないが、軌跡は長くなる。

流星はどこに飛ぶかわからないため、構図を決めて撮影し続けることとなります。夜空をどの大きさで切り取るかで流星の写り方が変わるため、イメージに合わせて焦点距離を決めてください。

また、F値は低ければ低いほどいいです。基本的には開放(F値最低)で撮ることになるため、F値が低いほどISOを下げ、ノイズを減らすことができます。1.8くらいまで下げられるのが理想ですが、3.5くらいでも撮れます。
ISOを下げたいのであればシャッタースピードを遅くすればよいのでは、という話になりそうですが、星は少しずつ動いているためシャッタースピードが遅すぎると星が点ではなく線になって写ってしまいます。これを避けるためにF値の低いレンズを選ぶとよいです。

僕は
① Sony α9 + SAMYANG AF 14mm F2.8 FE
② Sony α7Ⅱ + Sony FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(SEL24240)
を使用して撮影しています。

準備するもの

[絶対に必要]
🌟カメラ
 →言わずもがな。
🌟三脚
 →スローシャッター撮影をするため。
🌟予備のバッテリー
 →長時間の撮影となります。Sonyの場合、バッテリーがNP-FZ100であれば予備なしでも乗り切れますが、NP-FW50は途中で電池切れになる可能性大です。
🌟レンズヒーター(持っていない場合はハンディ扇風機で代用可)
 →夏だろうと冬だろうと夜明けは気温差があるためレンズが曇ります。レンズヒーターは曇り止め効果抜群ですので、用意しておきましょう。ハンディ扇風機で代用する場合は、写真に写らないところからレンズ前の空気を飛ばすように風を送ってあげると結露しにくくなります。

 

 

[あればいい]
🌟三脚の重り
 →風が吹くと三脚が振動することがあり写真がブレます。重りをぶら下げておくことで振動防止になります。三脚ケースにペットボトルの水を入れた簡易的な重りで充分です。
🌟リモートコマンダー(カメラにインターバル撮影機能がない場合)
 →一定間隔で撮影するため、カメラにその機能がない場合はリモートコマンダーを導入し、一定間隔で撮影できるようにしましょう。万が一インターバル撮影機能がなく、リモートコマンダーもない場合でも、手動でシャッターを切り続ければ撮れなくはないです。僕は以下のものを使用しています。


🌟レジャーシート
 →寝転がって流星を観察するため。
🌟ネックピロー
 →これを付けて寝転がると楽です。
🌟クッション
 →寝転がるときに腰の下に敷いておくと痛くなりません。
🌟軽食、水
 →長時間の撮影になるため必要です。お菓子は甘いものと辛いもの両方準備しましょう。
🌟折り畳み式の椅子
 →軽食を摂るときは座った方が楽ですね。
🌟赤色ライト
 →暗い場所で作業する際、明るいライトで照らすと目がびっくりして、せっかく暗闇に慣れた目がリセットされるほか、周りの人の迷惑になるため赤色ライトを使いましょう。スマホのライトに赤色セロハンを貼るだけでも充分です。
🌟赤道儀(僕は使用していません)
 →設定が必要ですが、星をカメラが追いかけてくれるようになります。星の動きを気にする必要がなくなります。代わりに地上の景色が動きます。
🌟光害カットフィルター(僕は使用していません)
 →街明かりをカットし、星の光を強調することができます。
🌟ソフトフィルター(僕は使用していません)
 →大きな星を滲ませてより大きく見せることができます。

天気予報の確認

当然ですが、どれだけ星が流れても雲があると見えません。天気予報の確認は必須です。ただ、一般的な天気予報は空に対して雲の量が8割までは晴れと扱われます。星を見に行く場合は以下のような星空指数を確認するとよいでしょう。

ロケーション選び

天文台が近くにあれば最強でしょう。星を観測するための施設ですので、星がよく見えるところに建てられています。問答無用で流星がよく見えます。
天文台へのアクセスが難しい場合は、山や高原など街灯が少なく空が澄んでいるところがいいです。海でも撮れるかもしれませんが、船や工場などの邪魔な光がないかの確認が必要です。また、撮影にあたっては木の枝が頭上までもりもり伸びているところは難しいです。構図を考える際の選択肢が真上しかなくなってしまうため、見晴らしがよいことも重要です。

構図

大まかなロケーションが決まったら構図選びです。星空だけを切り取るのもいいですが、よほど星に詳しくないとどれも同じような図鑑写真になってしまうため、地上の景色も少し入れるのがおすすめです。
・放射点
・天の川
・北極星

この3点を画角に入れるかどうか気にしつつ、地上の景色もよいところで構図を決めるのがよいでしょう。

🌠放射点
放射点とは、流星が放射状に飛び出してくるように見える、天球上の1点のことです。しぶんぎ座流星群ならしぶんぎ座を、ペルセウス座流星群ならペルセウス座を、ふたご座流星群ならふたご座を画角に入れることで、同じ一点から流星が飛び出してくるような写真を撮ることができます。ただし、放射点から90度離れたところが最も軌跡が長くなるポイントですので、軌跡の長さが欲しい場合は放射点を入れなくてもよいでしょう。流星群は夜空のどこでも見られると言われていますが、個人的には放射点付近に多く流れるように感じます。

🌠天の川
これは説明不要ですね。天の川を画角に入れると派手な写真になります。流星群を撮るついでに星の軌跡も写真にする場合は、天の川がうるさくなりすぎることもあるため注意が必要です。

🌠北極星
地軸の延長線上にある星であるがゆえに、唯一動かないように見える星です。こちらも流星群ついでに星の軌跡を1枚の写真に収める場合は、北極星が写っているかどうかで出来上がりが大きく異なります。

放射点や北極星がわからないという方、文明に感謝しましょう。Star Walkといういいアプリがあります。

これを空に向けてかざすと星座の位置を教えてくれます。オリオン座しか知らない僕でも安心!
北極星の表示はありませんが、こぐま座の表示があるため、アプリではこぐま座を探してください。

あと、目の前を車が通らないことも大切です。安全面では当然ですが、せっかく火球(大きな流星)が画角内に流れたのに、シャッターを開けている間に車が通ると台無しです。車のライトで不自然に明るすぎる写真になってしまいます。車が入れない場所で三脚を立てましょう。

撮影開始

構図が決まればカメラの設定をしていきます。
📸カメラ本体の設定
ISO:12800
シャッタースピード:5秒
F値:開放(最低)
で撮っていきます。お使いのレンズのF値や周囲の明るさでISOやシャッタースピードを調節してください。高感度が苦手でノイズが出やすいカメラの場合はISOをもう少し下げて、シャッタースピードをもう少し長くしても大丈夫です。普通の星景写真であればもっとISOを下げ、シャッタースピードを長くすべきですが、流星は別です。流星を明るく写すために、使える範囲でISOを上げて撮りましょう。

長秒時NR(ノイズリダクション)は必ずオフにしてください。これがオンになっていると5秒間の撮影のあと、5秒間のノイズ処理が行われます。次のシャッターを切り始めるまでにノイズ処理中の5秒間のブランクがあるため単純に流星が写る確率が半分になってしまいます。

星景写真は初めに記載した通りレタッチで化けます。Raw + Jpgで撮影しましょう。
Rawのみでもよいのですが、帰宅後にPCで流星の写った写真を探すためにJpgもあると便利です。

インターバル撮影機能があればオンにします。これで撮影を開始してからは放っておいて大丈夫です。ない場合はリモートコマンダーを使用して同様の設定を行います。

セルフタイマーを最も短いタイマーにしておきましょう。(Sonyの場合は2秒)三脚に固定していてもシャッターを押す瞬間は手で触るためブレが発生します。セルフタイマー2秒で、ブレが収まってから撮影を開始できます。

手ぶれ補正はオフにしてください。三脚を使用する場合はいつでも手ぶれ補正オフです。

レンズヒーターの電源オンも忘れずに!

🔭フォーカス(ピント合わせ)
マニュアルフォーカスで合わせる必要があります。ピント補助機能を使って画角の一部を大きく表示し、明るい星を目印に、その星が最も小さくなるようにピントを合わせましょう。ピントが合っていないとぼやけて大きく見えます。最も小さくなるとピントが合っている状態です。

撮影中

ここからはカメラは忘れて大丈夫です。たまにバッテリーの残量と、レンズが曇っていないかのチェックだけ行いましょう。
レジャーシートに寝転がり、持ってきた軽食を食べながらぼんやり空を眺めて流星の観察タイムです。

撤収

充分に流星を眺め終え、撮影もできたら撤収です。周囲が暗いため、忘れ物がないように撤収しましょう。暗すぎて撤収が難しい場合は、赤色ライトを使用して周囲の観察者に迷惑をかけないように必要なところを照らしましょう。
帰りは深夜~早朝になるでしょう。車の場合は運転に気を付けてくださいね!

豆知識

Q.流星群はなぜ毎年同じ時期に見られるのでしょうか。
A.地球の公転軌道上にちりの塊があるためです。地球がちりの中を通過する際、ものすごいスピードでちりと大気がぶつかり、プラズマ発光しているのです。ということで、流星は星ではないのですね!

Sony α9 + SAMYANG AF14mm F2.8 FE
ISO-3200 F/2.8 8.0sec. 14mm
兵庫県 西はりま天文台にて撮影

2024-10-03

Posted by aoifamily