流星群を撮ろう!(レタッチ・現像編)
流星の撮影を終えたらいよいよレタッチです。撮影編は以下よりご確認ください。
ここでは3種類のレタッチを行います。目次よりやりたいレタッチ手順解説の項目に飛んでください。なお、どのレタッチの場合も「下準備」の部分はお読みください。
下準備
ファイルリネーム
これは必要な方のみで結構です。撮影した写真をリネーム(ファイル名変更)する場合は初めに行ってください。
流星群撮影では大量の写真が撮影されていると思います。昔ながらのリネームソフト「お~瑠璃ね~む」を使用するとあっという間にリネームが完了します。撮影日時順に連番を振るのがおすすめです。
流星の写真を探す
これが最も骨の折れる作業です。写真を1枚1枚チェックし、流星が写っているかどうか確認しましょう。流星が写っている写真にはファイル名末尾にしるしを入れておきましょう。僕はtwinkleから取って、末尾に”-t”を付けています。
お目当ての写真を探すのに合理的な方法を取っている方もいらっしゃいます。
が、僕個人としてはすべての写真をチェックする方が身に合っていました。
また、衛星(スターリンク)を流星と見間違えないよう注意しましょう。
衛星のスピードは流星に比べてはるかに遅いです。流星は2枚の写真にまたがることは滅多にありません(シャッターのタイミングによってはありえなくはない)が、3枚以上にわたる場合は確実に流星ではないでしょう。飛行機や衛星の可能性が高いです。
基準となる写真を決める
この後の工程で、全ての写真に同じレタッチを施します。その際にどの写真を基準にレタッチするかを選定しましょう。
選ぶ基準は、火球(大きな流星)が写っている写真や、地上の景色がよく撮れているものがよいです。また、基準となる写真であるため明るさなどの写り方が他と違うものは選ばないようにしましょう。
Lightroomを使用してレタッチ
- Lightroomを起動
- 右上の「ライブラリ」をクリック
- 左部「フォルダー」右にある「+」マークをクリック
- レタッチする画像が保存されているフォルダを追加する
- すべての写真にチェックがついていることを確認し、「読み込み」をクリック
- ③で決めた基準となる写真を選択し、右上の「現像」をクリック
- レタッチを頑張る(トップの画像は以下のようにレタッチしています。)
[ライト]
露光量+0.7、コントラスト+50、ハイライト-10、シャドウ+16、白レベル+33、黒レベル-48
[カラー]
色温度3776、色かぶり補正+49、自然な再度+12
[効果]
テクスチャ+5、明瞭度-3、かすみの除去+25
[色相]
ブルー+24、パープル-37、マゼンタ-32
[画像右上から右下にかけて線形マスクをかける]
シャドウ-18、色かぶり補正+24 - 画面下部の画像をすべて選択する
- 右下の「同期」をクリックし、全ての写真に同じレタッチを施す。
- 画面下部の画像を全選択したまま「ディティール」→「ノイズ除去」をクリックし、全ての写真にAIノイズ除去をかける
- 「ファイル」→「書き出し」よりjpgではなくtiffで画像を書き出す。
流星の写真を1枚に合成
基準となる画像に対して、流星の入った画像を比較明合成することで1枚の写真にたくさんの流星を合成することができます。
- 基準となる画像と流星の写った写真をPhotoshopで開く
- 流星の写った写真の流星周りを投げ縄ツールで選択し、コピー(目印として、流星付近の明るい星も2つほど一緒に囲んでおくとよい)
- 基準となる画像にctrl + Shift + V でコピーした場所にペースト。ctrl + Vでペーストすると全然違う場所に貼り付けられるため注意。
- 星は動くため、一緒にコピーした目印となる星の場所に合わせるように貼り付けたレイヤーを動かす。星は回転するように動くため、上下左右に動かすだけでなく若干の回転が必要となる。
- (必要な場合のみ)全ての流星を合成し終えたら「メニュー」→「レイヤー」→「表示レイヤーを結合」からレイヤーを結合し、1枚の画像として扱えるようになるので、最終調整のレタッチを行う。
- 書き出して完成。
星の軌跡を合成
StarStaxというフリーソフトで作成することができます。
- 合成に使わない写真を除外しておく(光害が強い写真や曇ってしまった写真、不要な映り込みのある写真を、除外フォルダを作成してそちらに避難しておきましょう)
- StarStaxに除外した写真以外の写真を取り込む
- 右側バーの歯車をクリック
- Blending modeはGap Filling(シャッター間を補完するモード)を選択
- Comet modeにチェックを入れると先が細くなる
- Trailsのスライドバーで尾の長さを選べる(中間くらいで様子を見る)
- 「process images in reverse order」にチェックを入れると画像を逆順で処理する(Comet modeの場合は流れる向きが反転する)
- 「subtract dark images」で暗い箇所を減算するためにチェックを入れる
- 「Save after each step」はチェックなしでいい
- 「Use Complession」は圧縮させないためにチェックを外す
- 書き出し
タイムラプス動画の作成
「流星の写真を1枚に合成」や「星の軌跡を合成」のためにレタッチした画像を使って、Photoshopで上記のようなタイムラプス動画を作ることもできます。
- ファイル名を連番にしておく(お~瑠璃ね~むを使用)
- Photoshopの左上「開く」
- 動画の1枚目となる画像を選択する
- 「画像シーケンス」にチェックを入れる
- 「開く」
- フレームレートは1秒間に何枚写真を読み込むかの値。130枚の画像をフレームレート13fpsで作成すると10秒の動画になる
- 「ファイル」→「書き出し」→「ビデオをレンダリング」
最後に
何度も言いますが星景写真はレタッチが大切です。夜空の色により一発で印象を変えることができます。深いグレーで宇宙の果てしなさを表現するも、青紫で幻想的にするのも、青緑でさわやかな星空にするのもよいです。夜空の色味にこだわってレタッチしましょう。そして、せっかくレタッチしたのであれば上述した3枚の写真を完成させておきましょう。インターバル撮影で何百枚も撮影した同じような星景写真は見返しませんが、3枚であれば見返したくなりますよ。
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