ICLまるわかり体験記(手術前~手術後3日編)
ICL手術を受けてきました。視力は0.06と0.08から両目1.5まで回復しました。
手術前後の流れとその感想を以下に残しておきますので、ICLを検討している方はご参考ください。
ICLとは
これは素人が解説するより専門家の方がいいですね。以下のサイトが大変参考になります。
ICLを検討する場合はレーシック、SMILEのことも知っておきましょう。ICLも含め、これらのメリット・デメリットを比較してご自身に合う矯正方法を選んでください。
受けた理由
👀目が悪い!
なによりもこれですね。ICLを受けるにあたって久しぶりに裸眼の視力検査を行ったところ、0.06と0.08でした。
裸眼では生活できないので、起きている間はコンタクトや眼鏡に頼ることとなります。
ただ、起きている時間のうちこのどちらも着けられないのがお風呂。頭や体を洗う分には視力0.1未満の世界でも問題ありません。
しかし、僕はお風呂で爪を切ります。そんなもんお風呂上がってから切ればええやんけ!いやいや、お湯で柔らかくなった爪を切るのが好きなんです。でも足の爪は近視では見えず感覚で切るしかないため、意図しない深爪になることも。
そして髪もセルフカット派なのですが、これもお風呂です。前髪は鏡に接近して、そのほかの部分は手で触った感触で散髪しています。鏡に近づいたり、姿勢を戻したり、疲れる!!
👀コンタクトが煩わしい!
最近のコンタクトは優秀です。昔のコンタクトは知りませんが。"基本的には"着けていることを忘れています。
ふとした時にコンタクトの嫌なところが出てくるんですよね。目の前のことに集中しているとき、残業のせいで装着時間が長いとき、ヘアスプレーが目に入ったときなどにドライアイになるのが嫌だ!特に一つ目。ライブや映画など、見たいものに集中すればするほどドライアイに集中力を持っていかれます。
旅行の際も洗浄液など無駄に荷物が増えます。液体は重いんです。重量制限の恐怖。
また、これは完全に僕が悪いのですが、ずぼらでケチであるため2weekのコンタクトを2weekで交換することはありません。長いと2monthくらい使っています。どう考えても目に悪い。
👀眼鏡も煩わしい!
眼鏡は曇るしズレるし汚れます。ヘッドホンとも相性が悪く、眼鏡の耳にひっかけるところ(「モダン」というそう)が痛くなります。夏のまぶしい日はサングラスをかけたくなりますが、コンタクト着用を想定して度なしのサングラスしか持っていないので、眼鏡の日はそのためにコンタクトを着けるか、サングラスを諦めるかの選択に追われます。
ICLかレーシックか
ICLにするかレーシックにするか悩んでおり、ネットで調べても結論を出せなかったのでそれも含めて眼科で相談することにしました。
医者も人間です。偏った意見では困るほか、視力という極めて重要な感覚であること、費用が高額であることから、セカンドオピニオン的に複数の医療機関で相談しようと思いました。
レーシック自体に抵抗はありませんが、見え方の質が劣ることやドライアイの可能性あり、視力が戻ってしまう可能性ありというのはいただけません。どちらかといえばICLに気持ちが傾いていました。
ただ、日本眼科学会の出すガイドライン(https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=700&dispmid=909)によると「3 D 以上 6 D 未満の中等度近視および 15 D を超える強度近視には慎重に対応する」とあり、中等度近視の僕はガイドライン上、レーシックが適切だろうと思われるため、踏ん切りがつきませんでした。
→病院で聞いてきました。中等度近視であってもICLを受けることに問題はなく、好きな方を選択してください。ということでした。ちなみに、レーシックで視力が近視に戻ってしまうのは、角膜を削る手術であり、傷が治るのと同じように再生してしまうからのようです。
ところで見え方の質って何でしょうか。具体的に見え方がどう違うのかは調べてもわかりませんでした。画素数のような話?
→これも病院で聞いてきました。ICLに比べてレーシックの方がハロー・グレアが出やすいとのことでした。夜景がにじむそうです。
眼科選び
有名な眼科が東京にあるのなら東京で受けてもいい!という気持ちで調べていましたが、ICLは眼科によっては3日後、1週間後、1か月後などの事後検診を設けているところもあるようで、自宅から通える範囲でアフターケアが充実したところに決めました。
また技量も大切ですね。素人目には技量はわからないものの、ICLのライセンスにグレードがあります。(参考:https://fukuoka-eyeclinic-nakano.com/icl/expert/)最上位の資格であるICLエキスパートインストラクターの先生に手術をお願いできれば安心かなと思っています。
視力に関することですので、金額は気にせず選びました。自分の性格的に、仮に手術後に多少気になる点があった場合、金額で選んでいたら「あのときケチらなければもっといい結果が得られただろうか」と、逆に金銭面を度外視して、考えうる最良の選択をしていれば「あの先生でこの結果ならまあそんなもんだろう」と思うことが目に見えていたからです。視力だけに。
結論としては、自宅から通える範囲の
・エキスパートインストラクターがいる眼科(以下「A眼科」)
・チェーンで手術数の多い眼科(以下「B眼科」)
の2か所で相談することに決めました。本命はA眼科でしたが、B眼科は後述する適応検査が無料であったため、セカンドオピニオンにはちょうどよいだろうという判断です。
なお、A眼科、B眼科ともに手術を受ける場合には紹介による割引制度がありましたので、相談前にHPでこういった制度がないかよく確認することをお勧めします。
スケジュールと金額
まずは今回のICL手術にあたって眼科に行ったスケジュールとかかった金額を表にまとめます。
日付 | 内容 | 金額 | 備考 |
9/28 | 無料説明会 | 0円 | |
10/17 | 適応検査 (翌日からコンタクト可) | 609,410円 | 適応検査:5,500円 視野検査:3,910円 手術代:600,000円 |
12/19 | 手術日 | 0円 | |
12/20 | 翌日検診 | 0円 | |
12/21 | 3日目検診 | 0円 |
無料説明会
A眼科ではICLやレーシックの無料説明会を月に何度か開催していました。人気の眼科であるために説明会の予約を取るのがとっても困難で、毎日眼科のHPを見に行き新たな予約枠がないか確認していました。
説明会の内容はネットで調べられる内容ばかりでしたが、説明会参加者は既に色々調べたと思われる方ばかりであり、後述する質疑応答が充実していました。
また、説明会に参加する特典として、7,700円の適応検査が2,200円割引かれて5,500円になりました。
適応検査
先に予約が取れたため、まずはB眼科で適応検査を受けました。こちらは無料でした。簡単に問診表を記入し、眼圧や視力を測りました。その後に保険プランや支払い方、次回以降の流れの説明を受け、B眼科での適応検査は終了となりました。
後日、A眼科にて適応検査を受けました。こちらはお金がかかるだけあって、B眼科よりも色々と調べてもらいました。2時間半近くみっちりと。近視の影響で視野が狭い可能性があると言われ、適応検査とは別料金となりますが視野の検査も行いました。視野検査は保険適用でした。
A眼科での適応検査で特筆すべきところは以下4点です。
- 血液検査あり
感染症防止のため、血液検査がありました。眼内での感染症は大事になる可能性があるのでこういった対策はありがたいですね。 - 散瞳検査あり
瞳孔を開いて行う検査があります。目薬で瞳孔を開くのですが、若干沁みます。また、その後5~6時間ほど光を眩しく感じたり、手元が見えづらくなります。散瞳検査があることがわかっている場合、自動車などの乗り物で来院することは控えておきましょう。 - クレジットカードの場合、手術代の支払い
手術代をクレカ支払いする場合はこの日に支払います。お金の準備はもちろんのこと、クレカの上限額を確認しておきましょう。難しい場合は手術日の1週間前までに来院して支払うことも可能とのことでしたが、支払いのためだけに出向くのは大変ですからね。 - 手術日を決める
適応検査を終え、問題なしと判断されれば手術日を決めます。なお、散瞳検査実施後の場合、手元のスケジュール帳やスマホは大変見づらいです。意外にも眼鏡を外すことで近視が功を奏して手元が見えるようになります。
A・Bどちらの眼科もこのタイミングで知人による紹介であることを申し出れば割引が効くことを伝えられました。ただし、この時に誰の紹介かということまで眼科に伝える必要があります。いったん帰って紹介してくれる人を探して…といった時間はありません。紹介してくれる人がいない場合は、事前にSNS等で……
また、どちらの眼科も適応検査の1週間前からコンタクトレンズ使用禁止でした。
散瞳検査後の瞳が面白かったので写真に収めました。
金額
A病院では近視のみであれば片目30万円、乱視が入ると片目35万円でした。僕が手術を受けた際は現金振り込みか、クレジットカード決済で選ぶことができました。手術の1週間前までの支払いとなります。病院では一括払いしか受け付けていませんが、分割を希望する場合はクレジットカード一括でいったん支払い、あとからクレジットカード会社で分割設定すればよいようです。
なお、乱視の金額が高い理由としては、乱視用の特殊なレンズであるほか、目の中でのレンズの向きを合わせる技術が必要となるためのようです。稀に手術後に目の中でレンズが回ってしまうことがあるようですが、近視のみでは大きな問題にならないものの、乱視の場合は見えづらくなってしまうようです。
僕の場合は検査の結果、右目に若干の乱視があるものの乱視用レンズを入れるほどではないそうで、両目とも近視用レンズを入れることとなりました。手術料は両目で60万円です。
手術前
手術4日前から抗菌作用のある目薬を1日に4回注すことになります。忘れそう。そして手術前日はコンタクト不可です。
まつ毛エクステは手術中に取れてしまう可能性があるため、手術前はしないようにとのことでした。
手術当日は11:20に眼科に来るよう言われました。同伴者は解説付きで手術を見学することができるため、妻にも来てもらいました。時間になると前室のようなところに通され、1時間弱ほどかけて目薬で消毒や瞳孔を開く薬、麻酔を行いました。眼圧を下げる錠剤も飲み、血圧を測りました。また、術後から飲む薬や眼帯の説明を受けます。そしてこのタイミングで眼鏡を外すこととなります。メガネケースを持って行くことを推奨します。
十分に準備が整ったらいよいよ手術室へ。ここで同伴者とガラス越しに会うことになります。この段階では何も見えないためぼんやりと。
手術中
A眼科では無料オプションでリラックス効果のある笑気麻酔と、くまのぬいぐるみを貸してくれます(笑)ぬいぐるみは手術中に抱っこしておきましょう。笑気麻酔の効果はわかりませんでしたが、意外にもぬいぐるみは良かったです。身体が強張るので自然と握りしめていました。
手術台に寝て、透明のシートを顔にかぶせられ、時計仕掛けのオレンジに出てくる目を開く機械のようなもので目をかっ開かれます。(伝われ)
血圧なのか、血中酸素なのかを測るための機械を指にはめられます。
ここからはひたすら何かの水分を目にかけられ続けます。ずっと水の中にいるような感覚で、まずメスは見えません。視線は自分でコントロールする必要があるため、ここを見てくださいと指示を受けたとおりに目を動かします。
切る瞬間はわかりませんが、レンズを入れる際は若干の痛みがあります。目をぐぐーっと押されるような感じやピリピリするような感じ。執刀医の先生がずっと優しく声をかけてくれるので、不安はありませんでした。
片目2~3分程度で素早く処置してくださいました。
手術後
手術直後からある程度の視力が回復しています。先ほど見えなかったガラス越しの同伴者の顔が見える、、、!!(感動)
手術前の前室に戻り、少し休憩して再び血圧や眼圧を測り、この日はもう帰っても問題ないということで12:30頃に帰ります。
A眼科では提携の眼鏡屋で、保護メガネかサングラスと交換するための券をくれたため、サングラスを選んでから帰宅しました。この時に選んだサングラス(or保護メガネ)は寝る時以外は1週間つけることとなります。
手術後2時間ほどは麻酔が残っているのか瞼がはっきり開かず、眠たい顔をしていました。
手術当日は長時間のスマホやテレビは避け、目を閉じて安静にしておくようにとのことでした。
ICL前後で見た目に違いが出るのかを確認するために写真を撮りましたが、全く違いはありませんでした。
コンタクトであれば、近くで見るとコンタクトを着けていることがわかりますが、ICLの場合は目の中にレンズがあるためそれすらわかりません。
やるべきこと・してはいけないこと
やるべきこと
目薬 | 2週間 |
内服薬 | 4日間 |
就寝時のプラスチック眼帯 | 1週間 |
サングラス(or保護メガネ) | 1週間 |
してはいけないこと
シャワー | 1日間 |
洗顔・シャンプー | 3日間 |
入浴 | 3日間 |
化粧 | 5日間(眉毛・口紅・チークは1日間のみ) |
アルコール | 2日間 |
たばこ | 2日間 |
テレビ・スマホ・読書 | 2日間 |
軽い運動 | 4日間 |
プールや激しいスポーツ | 1か月間 |
見え方
手術直後はあらゆる人工光が二重に見えていましたが、5時間もすればそれはなくなりました。
執筆時点(術後3日目)の見え方はほとんどコンタクトと同じですが、まだ光の輪が見えます。暗い場所(瞳孔が開いた状態)でそこそこ明るいものを見たときや、瞳孔に関係なく太陽など強烈に明るいものを見た際に発生します。
光の輪の発生位置は思っていたものと異なりました。
弱い光源はイメージ通りなのですが、太陽などの強烈に明るいものは太陽の周辺に光の輪が現れるのではなく、視界のどこかに太陽が入っていれば視界の中心に大きな光の輪が現れます。
これがめちゃくちゃ邪魔かというとそうでもなく、いつもと違う―!くらいの感じです。きっと時間が経つともっと気にならなくなるのでしょう。
術後検診
手術後は翌日、2日後、1週間後、1か月後、3か月後、6か月後、1年後(以降は年に1回)の検診が必要です。
2日後検診までは本院で受ける必要がありましたが、それ以降は自宅から通いやすい分院でも構わないとのことでした。
翌日検診では視力を測ったり、眼圧や目の中の様子をしっかり検査します。ここで視力が1.5になっていると聞いた際は嬉しかったですね。
2日後検診は翌日検診よりも簡素なもので、簡単に診察をして終わりました。
翌日検診にて、瞳に対して乱視が出にくいように12時の方向にメスを入れたと聞いたので見てみると。。。
右目にだけ出血が見られました。問題ないことのようなので、引き続き点眼を続けていきます。
アフターサービス
・レンズの大きさ交換
・レンズの度数変更
・その他、問題があった場合の対応
は半年以内であればすべて無料で行っていただけるそうです。ただ、レンズの大きさや度数は事前の検査でよく測ってからの手術となるほか、これまでに問題も発生していないため実際にはそのような対応をした事例はないとのことでした。
医療費控除
1年間のうちに一定額以上の医療費を支払うと医療費控除の対象となります。ICLもその対象ですので、受けた年は必ず確定申告して医療費控除を受けることをお勧めします。
詳細は以下をご確認ください。
生命保険
この手術は生命保険の対象となる場合があるようです。ご自身が加入している生命保険が対象となるかどうかご確認ください。
僕はあとから気付きましたが、手術を急がない場合は対象となる生命保険に入って、免責期間を過ぎる頃に手術を受けるということも考えられますね。。。
免許更新
視力が回復し、眼鏡やコンタクトをつける必要がなくなるので、免許から「眼鏡等」の表記を削除できます。というより、この表記を削除しないと眼鏡かコンタクトを付けていないと違反になってしまいます。自動車を運転する方は、ICLを受けたら必ず免許の条件解除を行いましょう。
Q&A
A眼科の無料説明会のあとの質疑応答がためになったので共有します。
ただし、気になるところはご自身で手術を受けられる眼科に確認してくださいね。
Q. 乱視の自覚はないが、測定の結果は微弱に乱視が出ている。この場合、乱視用のレンズを入れた方がよいか。
A. 円柱度数(CYL)が1.0以上の場合は乱視用レンズを薦めるが、それ未満であれば近視用で問題ない。
Q. デスクワークはいつからできるか。
A. どうしてもということであれば手術の2日後から可能だが、3日間程度は安静にしておくことが望ましい。
Q. ICLを受けた後、度なしのカラーコンタクトを入れても問題ないか。
A. 1週間経過後からであれば問題ない。
Q. ICLを受けた後、近視が進んでしまった場合はレンズ交換対応となるか。
A. レンズを抜いたり入れたりするのは目に負担がかかるため、その場合は追加のレーシックで調節する。
Q. 老眼が始まった場合は老眼対応のレンズ(IPCL)に入れ替えることはできるか。
A. これも同じくレンズの入れ替えは負担がかかるため、老眼ではレンズの入れ替えは行わない。一度ICLを入れたら、基本的には抜き取るのは白内障手術の際のみ。そのため、老眼が始まったら老眼鏡を着用する必要がある。
Q. 視力の良い人は老眼になりやすいと聞いた。ICLで視力を矯正した場合も同様に老眼になりやすいのか。
A. 視力が良いと老眼に[なりやすい]のではなく[気付きやすい]が正しい。結論としては、ICLを受けた場合は老眼に気付きやすくなる。老眼は近いものが見えにくくなると思われがちだが、目のピント調節を担う筋肉が衰えるのが老眼。近視の場合は元々近いところにピントが合っているため気付きにくい。視力の良い人が手元を見る際に老眼鏡をかけるのだけが老眼なのではなく、視力の悪い人が手元を見る際に眼鏡を外すのも老眼の影響。
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